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顧客管理システムからひも解く経営戦略
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- 最終更新日 2011年7月30日(土曜)08:44
手書きのカルテをパソコンへ
ご紹介するのは、ある美容室さん(ここではA美容室さん、としておきますね)の数年前のお話。
美容室ではお客様の「お名前」「連絡先」「過去のカットやパーマの履歴」「髪の毛の質」「お好みのヘアスタイル」などの情報を「カルテ」という書類に記録して保管しておくのが通常なのだそうです。
A美容室さんでも、過去のお客様2,000人程を、「カルテ」というB5サイズのカード型の書類に手書きで記録を取っていましたが・・・お客様の情報を管理する手間が大変になりはじめたこともあり、パソコンで管理しよう、ということになったのです。
初めは「筆まめ」みたいな年賀状ソフトで、住所と名前と電話番号とメールを登録・・・のような話をしていたのですが、それじゃあお客様のヘアスタイルとか、過去のカットの履歴とかを見ることができない、ということで、ちゃんとした「顧客管理システム」を導入することになりました。
項目が自由に設定できる
顧客管理システムの特徴は、「項目」がある程度自由に設定できるという点。
筆まめなどの住所録管理・年賀状ソフトでは、お客様の住所・電話番号・メールなどの連絡先とちょっとした情報しか記録できないのに対して、顧客管理システムでは、かなり自由に項目を設定できます。例えば・・・
「髪の毛の質(硬い・柔らかい・くせ毛など)」「髪の毛の量」とか、「好みのヘアスタイル」など・・・
また、単にそのお客様の現在の情報だけでなく、「いつ来店した」とか「前回のカットの内容」とか・・・また「カットのあとお直しをした」とか・・・そういう「履歴」も記録することができます。
項目が自由に設定できるなら、今まで手書きで書いていたカルテと全く同じ内容を、パソコンに入力できる、ということで、早速導入を進めました。
導入を進める過程で分かったオーナーさんの考え
顧客管理システムは、運用し始めれば、意外に簡単な操作で管理ができるんですが、導入の最初の部分はある程度専門家のアドバイスが必要になります。そこでA美容室さんと私とで色々打合せしながら導入を進めさせていただきました。
導入とは・・・項目をどんなふうに設定するか?が主な作業。
- 名前は?「姓」と「名」を別にする?
- お勤め先は入力できるよう設定する?
- 髪の毛に関する情報はどんな項目を入れる?
- 身長・体重・スタイルなどの情報も入れられるようにしておく?それとも設定しない?
などなど・・・
そんな風に進める中で、A美容室のオーナーさんからこんな事を要望されました。「30代・40代の既婚の女性の場合、お子さんの名前や年齢・誕生日を入れられるようにしてもらえないかしら?」
もちろんこの要望は項目設定の作業で簡単に設定できるので、OKして進めたんですが、当初私は、「お子さんの情報があれば、接客の時の会話や応対に利用できるから、ね」と、そういう理解をしていたのです。が・・・オーナーさんの考えはそうではありませんでした。
オーナーさん曰く
「30代・40代の女性のお子さんということは、多分20代より下の子が多いでしょう?ということは、その子たちは数年たつと、私のお店のお客様としてアプローチできる年齢になるんですよね。そのお客様を重点的にケアしていって、何年来のお付き合いの超VIPなお客様になっていただければ、数年後にはそのお子さんたちも有望なお客様として取り込めるんです」
つまり、このオーナーさんが「お子さんの情報」を欲しがっていたのは、単に「お客様本人との会話をスムーズにする」ためではなく、「潜在的なお客様」がどこにいるかを掴むための手段の一つとして考えていたから、なんですね。
顧客管理システム上の情報としては、「子供の名前」「年齢」「性別」などを入力するだけなので、変りはないのですが・・・その情報を、どう活用するつもりなのかによって、意味合いや位置づけがガラリと変ります。
それから数年後の現在
その後、そのお店がどうなったかというと・・・「お子さんの年齢やお名前」を記録した方の全てではありませんが・・・一部のお客様は、お子さんまでがA美容室に通うようになり、結果的に家族全員がその美容室のお客様になっているのだそうです。
もちろん、単に「お子さんの名前と年齢を記録していた」だけでそうなったわけではなく、その他の様々なお客様の情報や過去の履歴を、様々な形で分析し、解釈しながら、お客様別にアプローチを変えたり、ある時期だけ重点的にDMを出したりなどして・・・ひとりのお客様の情報から、どんどんお客様の数を広げていったのです。
お客様の何を知って、どう活用するか?
単に住所と名前と電話番号を記録する、というだけではなく、様々な項目を入力することのできる顧客管理システム。
ともすると、その機能の豊富さゆえに、やたらめったら項目の数を増やして、入力しまくるんだけど、あとから良く考えてみたらなんにも役に立たない情報だった・・・なんてことも多々あります。
顧客管理システムを導入・運用しようとすれば、必ず「どういう項目を、どのように入力していくか」を考える事になります。
そして、それを考えると言うことは、イコール、「お客様のどういう情報を記録しておいて、それを後でどんなふうに活用するのか?」を考える事になります。
お客様の何を知って、どう役に立てるのか・・・?それをきちんと考えれば考えるほど、最終的には「自分のお店(会社)は、お客様に対してどんなサービスを提供し、どう役に立つのか」を模索していく作業につながっていきます。
こんな風に、顧客管理システムを導入して運用するということは、漫然と進めずに、しっかりとした考えを持って進めることによって「経営そのもの」を見直すチャンスにも成り得るのです。
個別具体的なご相談・解説が必要な方は、パソコン相談所で承ります。どうぞ御気軽にお問い合わせください。
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