パソコン相談所に寄せられる質問のなかでも、かなりの割合を占めるご質問。

「パソコンを購入したら、セキュリティソフトを 必ず入れましょうとよく言われますが、私はインターネットプロバイダの契約でセキュリティ対策ツールの申し込みをしています。それでOKだから、セキュリティ対策ソフトは購入しなくてもいいんじゃないか?と思うんですけれども、実際のところ、どうなんでしょうか?」

このページではプロバイダのセキュリティ対策ツールだけでパソコンのセキュリティ対策は万全か?について解説いたします。

■セキュリティ対策とはなにか?

そもそもセキュリティ対策とは何のことを言うか?というと・・・これには色々な解説の仕方や見解があると思うので、異論反論はあると思いますが・・・要するに

  1. ウィルス感染を防ぐための対策措置をとる
  2. 情報漏えいなどの原因となる不正侵入や不正プログラムの実行などの対策措置をとる

大きく分けてこの2点をクリアすればよい、と言うことです。(有害サイト対策・迷惑メール対策などについては、ここでは「セキュリティ対策」から除外することにします)

で、一般のセキュリティ対策ソフトには、

  1. ウィルス感染だけを防ぐ「ウィルス対策ソフト(アンチウィルスソフト)」
  2. 情報漏えいなどの対策をする「ファイアウォールソフト」
  3. 上記の2つを統合して、総合的な機能を提供する「総合セキュリティソフト」

があります。 セキュリティの対策としては理屈の上では堅牢であればあるほどよいので、とにかくガチガチに守ればよいのですが、現実には最低限「1と2を両方入れる」か「3を入れる」という風にすればよいと思います。

ところで、インターネットのプロバイダの多くは、インターネット接続契約のオプションとして、さまざまな「セキュリティ対策」のサービスがありますが、このサービスを利用したら、上記のセキュリティソフトを購入してインストールする必要はなくなるか?というのが、このページでのテーマですが・・

■プロバイダのセキュリティ対策サービスだけで「万全」とは言い切れないケースがあります

すべてのプロバイダで同一ではありませんが、プロバイダのセキュリティ対策の多くは「万全」ではありません。

プロバイダのセキュリティ対策サービスは大きく分けて2つのサービスがあります。

  1. そのプロバイダのメールアカウントに届いたメールがウィルスに感染していないか?をチェックするサービス
  2. セキュリティ対策ソフトをダウンロードしてインストールできるようにしているサービス

■プロバイダのセキュリティだけで安心か?

1.は「ウィルス感染したメールを防いでくれる」だけのサービスなので、これを利用するだけでは「ファイアウォール機能」が果たせませんので全く万全ではありません。それに、プロバイダの提供してくれているメールアドレス以外のアドレス(独自ドメインで取得したアドレスなど)を利用していれば、プロバイダとは全く関係ないため、防ぐこともしてくれない場合があります。

2.の場合、ダウンロード提供してくれるセキュリティソフトに「ウィルス対策」「ファイアウォール」の機能が両方とも備わっていれば安心といえますが、ダウンロードしたセキュリティソフトが「ウィルス対策だけ」あるいは「ファイアウォールだけ」という事になると、これもまた万全とはいえなくなります。

したがって、プロバイダのセキュリティ対策サービスに加入しているから、自分のパソコンは大丈夫だ、というふうに短絡的に考えるのはよくありません。プロバイダのセキュリティ対策サービスが、どういう対策を施してくれているのか?をきちんと確認したうえで、必要があれば足りない部分を補うようにしましょう

■具体的には・・・?

以下、おもなインターネット接続プロバイダごとのサービスの概要と注意点を記しておきますので、参考にしてみてください(この情報は、2009年3月時点での情報ですのでご了承ください)。

@Nifty

会員サービスとして「総合セキュリティ 対策サービス」を提供しています。これは市販の「ウィルスバスター」「NortonInternetSecurity」などのソフトをNiftyが提供するというカタチのサービスです。総合セキュリティソフトを提供しているという点で、利用してちゃんとインストールすれば、ある程度安心と言えます。また、「常時安全セキュリティ24」というコースもあります(←ただ、これは、個人的には「Niftyへ接続している状態で有効に働く」というものなので、例えば「ノートパソコンで外で接続するときにはフリースポットを経由しているとか、E-Mobileなどの別会社の接続サービスを利用している、というような場合に不安が残ります)

TNC(TOKAIネットワーククラブ:静岡県を中心としたプロバイダ)

会員サービスのオプションとして「セキュリティサービス」を提供していますが、これもNiftyと同じく総合セキュリティソフト「Norton Internet Security」をダウンロードして使えるようになる、と言うものです。総合セキュリティ対策ソフトなので、いちおう安心ではあります。

ただ、オプションサービスのなかの「Norton Anti Virusオンライン」サービスは、「ウィルス対策」のみなので、このサービスだけでは「ファイアウォール機能」が提供されないため、万全とはいえません。

Web静岡

接続サービスのオプションとして「メールウイルスチェック Powered by Symantec」というサービスを提供していますが、これはウィルス感染チェックだけなので、このサービスだけでは万全ではありません。このサービスを利用した上で、その他に「ファイアウォール機能」をパソコンに備える(=ファイアウォールソフトを買ってインストールする)必要があります。

OCN

ここもオプションサービスとして、さまざまなセキュリティサービスがありますが、基本的には「市販のセキュリティソフトを、OCNが提供している」というものです。総合セキュリティソフトも提供していますが、「迷惑メール対策だけの機能」「有害サイト対策だけ」というサービスもあるので、「安いからこっちだけにしよう」と、「総合セキュリティ対策サービス」を外してしまったりすると、安心どころか、不安だらけになってしまいますので、要注意です。

■プロバイダが提供する総合セキュリティ対策ソフトって・・・?

上記のプロバイダに限らず、多くのプロバイダが市販の総合セキュリティソフトを、そのプロバイダ独自のサービスのようにして提供していますが、これらのソフトは、市販の総合セキュリティ対策ソフトと、基本的には全く同じです。

「プロバイダが提供してくれるから、自分で判断して選ぶ必要がない」という点では安心ですが、どのプロバイダのサービスも、「自分でパソコンショップで同じセキュリティソフトを買ってくる」のより若干高額になっていますので、その点をきちんと考慮しておきましょう。

また、プロバイダのセキュリティ対策サービスは、「そのプロバイダを利用してインターネットに接続している場合のみ有効」というケースがほとんどです。外出先では、別会社の携帯サービスを使っている、なんていう場合に、「セキュリティ対策をNiftyで申し込んでいる」というのでは、セキュリティ対策が施されていないのと同様、という恐れもありますので、ご注意を。

 
 
このサイトは 2003年3月より ITコーディネータ 岸本圭史 が著作・編集しています。